●就労継続支援「A型」の廃業増加

障害者相談支援事業所に勤める、
その道10年の「相談支援専門員」の方から、
最近、就労継続支援の「A型」施設で、
廃業が多い、という話を聞きました。

就労継続支援事業の「A型」とは、
障害者と雇用契約を結んで就労させる施設。
最低賃金の事が多いですが、給料が出ます。

ちなみに「B型」とは、雇用契約は結ばず、
交流の場・たまり場的な機能の施設。
「授産施設」とも呼ばれ工賃をもらいます。

「A型」で、なぜ廃業が多いかというと、
公的補助金を障害者への賃金として支払
う事が禁止になったからとの事。

ほぼ最賃とはいえ「A型」に通い、健常
者と同様に働いていた障害者にとっては、
悲しい状況になっているそうです。

私が知っている「A型」にはパン製造
や軽作業の所が多いです。

そうした業種で、一般企業と同様に
利益を出していくのは、大変だと
思います。

公的補助金に頼って、経営していた
所がほとんどだったのでは
ないでしょうか。

●就労移行支援事業所のY社長の試み

同じ町(志木市)でこの1月にオープン
した就労移行支援事業所のY社長は、
ユニークな試みをしています。

「A型」の障害者と、人手不足に悩む
倉庫業や製造業をマッチングする
試みです。

「A型」では”事業所外就労”が、認め
られており、複数の障害者が引率者と
一緒に、倉庫業等の現場で働きます。

そうしたマッチングをしているのが、
Y社長。

志木市の物流倉庫で、その手法で
人手不足を解消。その手腕が評価され
次は「就労移行支援事業所」を開設。

就労移行支援事業所は、物流倉庫
のある企業内にオープンしました。

就労移行支援事業所では、
物流倉庫業で必要とされる技量を
身に付ける「訓練」を行います。

訓練は2年間が上限となりますが、
仕事直結の訓練を受けた障害者は、
倉庫業の即戦力になります。

障害者相談支援事業所にいる
「相談支援専門員」のMさんは、
このY社長の試みを高く評価。

Y社長の就労移行支援事業所では、
交通費や工賃も支給しつつ、
確実に技量習得と就職支援を
実施しています。

パソコン等を教えて2年間訓練
したら系列のA型で働かせて、
また就労移行に戻して、といった
障害者囲い込みをしている施設も
あるなかで、Y社長は良心的、
とのことです。

●職業訓練校と障害者

最近では、職業訓練校にも、
軽い障害をお持ちの方が、
受講生として多く来られます。

しかし、ハローワークから
そうした障害の有無等が伝えら
れる事はありません。

受講者ご本人がカミングアウト
する事で「うつ」や学習障害が
わかります。

障害者手帳をお持ちの場合は
別枠での就職ができるので有利
という面もありますが、
一般には、障害があると、
就職は難しくなります。

早い段階から、もし障害がある
場合には、訓練校側に相談して
ほしい、と今後は言っていきたい
と思っています。

障害者相談支援事業所の
「相談支援専門員」の方と、
コミュニケーションして頂き、
より適切な、就職サポートが
できるようになればいいと
と思いました。

専門員の方の判断で、「A型」
に就労して、雇用保険を支払う
ようになる、という可能性も
あることがわかりました。

お近くなので、
Yさんの就労移行支援事業所に
行くようになり、3ヶ月以内に
就職してもらう、という手も
考えられそうです。

障害者福祉の分野世界における、
ケアマネージャー的な存在が、
障害者相談支援事業所にいる
「相談支援専門員」ですが、
同じ地域にいる方と、ゆっくりと
コミュニケーションできた事を
ありがたく思っています。