キャリアコンサルタントが、統計を通じて、
押さえておかなければいけない基本情報の一つに
「労働力調査」による数値があります。
この調査の「基本集計」は月次で行われていて、
最新の情報は、2020年12月25日に公表された
同年11月分の結果です。
それによると、まず「(1) 就業者数,雇用者数」は、
〇就業者数は6707万人。前年同月に比べ55万人の減少。8か月連続の減少
〇雇用者数は6017万人。前年同月に比べ29万人の減少。8か月連続の減少
となります。
就業者数から雇用者数を引いた660万人は、
「自営業主・家族従業者」となるのですが、これは昨年同月(2019年11月)
には676万人でしたので、16万の減少(減少率2.37%)。
雇用者数は昨年同月の6046万人から29万の減少だったわけですが、
その減少率は0.48%。
この1年で、自営業主の減少が目立つ、と言えます。
業種でみると、
〇宿泊業が、61→48万人で13万の減少(減少率21.31%)
で、ほぼ最大の減少人数と減少率を示した業種。
〇林業10→7万人で3万の減少(減少率30%)の
減少率には及ばないものの、
〇プラスチック製品製造業54→43万人で11万の減少(減少率20.37%)
を上回ります。
〇飲食店も、300→286万人で14万の減少は、人数としては
業種別で最も多い数値となり、減少率は4.67%です。
宿泊業や飲食店での就業者数の減少は、コロナの影響に
よるものと思われますが、
〇持ち帰り・配達飲食サービス業では、59→57万人と
減少人数は比較的少なく、減少率も飲食店より小さく3.39%です。
一方、増えている業界もあります。
「情報通信業」では、228→247万人と19万の増加で、
その増加率は8.33%。
その中でも
〇インターネット附随サービス業は、14→20万人で6万の増加
(増加率42.85%)と驚異的な伸び。最大の伸び率です。
〇情報サービス業でも、158→170万人で12万の増加
(増加7.60%)と、かなりの増加人数となっています。
もっとも増加人数が多かったのは、
〇医療業で、391→414万人で23万の増加(増加率5.88%)
次いで多かったのは、
〇不動産業101→119万人で18万の増加(増加率17.82%)。
増加率では、インターネット附随サービス業に次いで多い数字。
テレワークの普及で、コワーキングスペースが増えたことも
要因になっているかもしれません。
「(2) 完全失業者数」は195万人。
これは、前年同月に比べ44万人の増加。10か月連続の増加。
「(3) 完全失業率(季節調整値)」は2.9%。
前月に比べ0.2ポイント低下ではありますが、昨年同月は、2.2%だったことを
踏まえると、大幅な増加で、コロナ禍の影響が大きいことが伺えます。
(完全失業率は、2019年の平均が2.4%。11月12月は2.2%で、
最小値となりましたが、その後2020年は上昇し続け5月には2.9%を記録、
8月9月は3.0%に到達し、10月には3.1%となっていました。)