「キラークエスチョン」という言葉があります。
相談者の方が「気づき」を得て、時には
その方の人生にも影響できるような、そんな質問。
そうした質問ができるようになるには、
一朝一夕の訓練では、やはり難しい、と感じています。
しかし、基本となる姿勢は、常にとれると思っています。
それは「相談者の方ファースト」。
その方のことを考え、親身になること。
お話を傾聴し、受容し共感する姿勢、
その姿勢ができていれば、「キラークエスチョン」も
繰り出せるようになる、はず、と思っています。
さて、前回のつづきです。
掲載していた「逐語録」について、話を進めます。
2)仮説を立てる(見立てをする)事で
“意図をもった質問”ができるようになる
私たち、キャリアコンサルタントは、相談面談の
途中で、ある仮説を立てます。
例えば、相談者は「自分は営業に向かない」と
言っているが、それは、”思いこみ”ではないのか?
といった仮設です。
これを「見立て」ということもあります。
そうした仮説(見立て)にそって、質問は組み立てて
いきます。
(CC)成績があがっていない、ノルマが達成できていない、
ということですが、まったく成績はあがっていない。ゼロ、
というわけですか?
という質問は、
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相談者は「自分は営業に向かない」と
言っているが、それは、”思いこみ”ではないのか?
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という仮説をもとにして、まずは以下のことを
明確にしたい(聞いてみたい)という考えから、出たものです。
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もしかしたら、営業の成果は、そこそこあげている
のではないか。(なぜなら、上司や会社から、営業を
やめろ、会社をやめろ、とは言われていないのだから)
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さて、
逐語録は、前回の後には、どのようになっていくのでしょう。
【逐語録の例】(前回の掲載分の続き)
(CL12)ゼロ、というわけではないですが・・・
(CC12)というと?
(CL13)ノルマの数字には行ってないですが、そこそこの
数字が出る月もありました。
(CC13)「そこそこ」というと・・?
(CL14)例えば、ノルマが売上100万円の時に80万円、といった
感じです。
(CC14)8割の達成ですね。そうした時は、他の営業の人は
どの位の数字をあげているんですか?
(CL15)もちろん100%以上の数字をあげる先輩もいますが、
営業マン10人の内の半数は、100はいかないです。
(CC15)そうなんですねぇ。すると○○さんは、営業スタッフ
10人のなかで、必ずしも最下位の成績というわけではない?
(CL16)ええ、まあ。順位が明確に出るわけではないのですが、
最下位というわけではないです。
(CC16)「この仕事は合わない」とおっしゃられていましたが、
客観的にみれば、御社には○○さん以上に「営業に合わない」人
がいるとも言えるのではないですか?
(CL17)ええ、まあ。そうとも言えますが・・・。
(CC17)先ほど「口ベタで、営業には向いていない」と言われて
いますが、御社の営業の方は、皆、口ベタではない、ですか?
(CL18)なかには、口ベタというか、あまりしゃべらないタイプの
人もいます。
(CC18)その人の成績はどうなんですか?
(CL19)わりと上位の部類に入っていると思います。
(CC19)それは、○○さんからは、なぜだと見えますか?
===つづく===
以上のような流れでの質問も、先と同じように、
以下の仮説(見立て)から出てきている事は
おわかり頂けると思います。
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「営業に向いていない」と言っているが、それは、
“思いこみ”かもしれない。
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ここで、確認しておきたいのは、私達キャリアコンサルタント
は、あくまでも限られた時間のなかで、意義のある面談を
行うことを常にこころがけるので、・・・
できるだけ、仮説をもったうえで、それを元とした
“意図をもった質問”を行う必要がある、
ということです。
私たちキャリアコンサルタントの質問は、日常会話で、
何気なくかわされる「質問」とは、やはり違うと
考えてください。
“意図をもった質問”、が意義ある面談を導きます。
<続きはまた次の回に書いていきます>
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