国家資格キャリアコンサルタントとは?
キャリアコンサルタント試験は、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)に基づき、厚生労働大臣の登録を受けた登録試験機関が実施する国家資格試験です。
かつては複数の民間資格が乱立していましたが、資格取得者の能力格差が問題となり、平成28年4月より国家資格になりました。
キャリアコンサルタントは登録制の名称独占資格とされ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されています。
現在も様々な民間資格はございますが、
国家資格キャリアコンサルタントを取得して名簿に登録していない方は、「キャリアコンサルタント」やそれと紛らわしい名称を名乗ることは出来ません。
国家検定「キャリアコンサルティング技能士」との違いは?
キャリアコンサルティング技能士は、働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的とした、キャリアコンサルティング協議会が実施する国家検定制度で、レベルは1級と2級に分かれています。
国家資格キャリアコンサルタントの資格試験誕生と同時に、キャリアコンサルタントは以下の4つのレベルに分けられるようになりました。
・導入レベル(数十時間の講義と演習で学んでいる人)
・標準レベル(キャリアカウンセリングを実践必要な知識・スキルがある人)
・熟練レベル(キャリアカウンセリングを安定的に実践できる人)
・指導レベル(キャリアカウンセラーを指導できる人)
国家資格キャリアコンサルタントは、標準レベル以上に該当します。
一方、キャリアコンサルティング技能士2級は熟練レベル、1級は指導レベルに該当するので、国家資格キャリアコンサルタントの上位資格と位置付けられています。

(参考)キャリアコンサルティング技能士の受験資格
■1級受験資格
- 10年以上の実務経験を有する者
- 9年以上の実務経験を有する者で、大学において検定職種に関する科目について20単位以上修得し、卒業したもの
- 9年以上の実務経験を有する者で、キャリアコンサルタント試験の受験要件を満たすものとして厚生労働大臣が認定する講習を修了したもの又はこれと同等以上の講習を修了したもの
- 8年以上の実務経験を有する者で、大学院05において検定職種に関する科目について8単位以上修得し、修了したもの
- 8年以上の実務経験を有する者で、キャリアコンサルタント試験に合格したもの、またはキャリアコンサルタントであるもの
- 2級の技能検定に合格した者で、その後、3年以上の実務経験を有するもの
■2級受検資格
- 5年以上の実務経験を有する者
- 4年以上の実務経験を有する者で、大学において検定職種に関する科目について20単位以上修得し、卒業したもの
- 4年以上の実務経験を有する者で、キャリアコンサルタント試験の受験要件を満たすものとして厚生労働大臣が認定する講習を修了したもの又はこれと同等以上の講習を修了したもの
- 3年以上の実務経験を有する者で、大学院において検定職種に関する科目について8単位以上修得し、修了したもの
- 3年以上の実務経験を有する者で、キャリアコンサルタント試験に合格したものまたはキャリアコンサルタントであるもの
国家資格キャリアコンサルタントの受検資格は?
次のいずれかの要件を満たした方が受験できます。
・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方
・平成28年3月までに実施されていたキャリア・コンサルタント能力評価試験の受験資格である養成講座を修了した方(平成28年4月から5年間有効)
つまり、3年以上の実務経験がある方、上位資格のキャリアコンサルティング技能士試験に合格している方以外は、厚生労働大臣認定の養成講習を受講しなければ受験資格が得られません。
養成講習とは?
2019年2月現在、厚生労働大臣認定の養成講習主催者は19団体で、このいずれかが主催する講習を受けることで、受験資格が得られます。
いずれの講習も、通学にプラスして通信課題が課される形式となっております。実技を伴う試験であることから、通信のみの養成講習は実施されておりません。
受講時間は団体により異なり、通学80~100時間前後、通信50~70時間前後で設定されています。
受講費用は、30万円弱~40万円弱となっています。
弊社代表・柴田(キャリアコンサルティング技能士1級取得者)が代表をつとめる、一般社団法人地域連携プラットフォームも養成講習を実施しております。
埼玉県志木市でのみ開催となりますが、主催団体の中でもリーズナブルな価格で、講習修了後も受験対策講座を格安で受講することが出来ます。
詳細はこちら
試験の概要は?
学科試験と 実技試験(論述および面接)に分かれています。
学科試験
筆記試験 (四肢択一のマークシート方式による回答)
問題数:50問
試験時間:100分
合格基準:100点満点で70点以上の得点
実技試験(論述)
記述式( 逐語記録を読み、設問に解答する)
問題数:1~2問
試験時間:50分
実技試験(面接)
ロールプレイ
・ロールプレイは実際のキャリアコンサルティング場面を想定して、面談開始から最初の15分間という設定で行う。 ロールプレイでは、キャリアコンサルタントとして相談者を尊重する態度や姿勢(身だしなみを含む)で、相談者との関係を築き、問題を捉え、面談を通じて相談者が自分に気づき、成長するような応答、プロセスを心がける
・受験者がキャリアコンサルタント役となり、キャリアコンサルティングを行う
口頭試問
・自らのキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える
問題数:1ケース
試験時間: 20分 (ロールプレイ15分/口頭試問5分)
合格基準: 150点満点で90点以上の得点。
ただし論述試験の満点の40%以上、かつ面接試験の評価区分の中の「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要
試験科目
試験科目は次のとおりです。
- 職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目
- キャリアコンサルティングの理論に関する科目
- キャリアコンサルティングの実務に関する科目
- キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目
- キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目
合格率はどの位?
2018年の第10回試験の合格率は、学科試験:62.9%、実技試験:65.7%、学科実技同時受験:53.3%です。